1977年4月パリで生まれ、幼少期をロンドンで過ごす。全国東大模試6位の実力で東京大学に入学するも、浪人の時期に目覚めたラップ活動に傾倒し中退。2000年にMICADELICのメンバーとして本格デビュー。自身のMCバトルの大会主催や講演の他に、日本のヒップホップでは初となるアーティスト主導のインディーズ・レーベルDa.Me.Recordsの設立など、若手ラッパーの育成にも尽力する。2010年、イベントのMCの間に脳梗塞で倒れ、さらに合併症で左目を失明するも、その後は眼帯をトレードマークに復帰。2012年BSスカパー!「BAZOOKA!!!」内の企画「高校生ラップ選手権」に企画から参加。2017年「このまま手を打たなければ5年で死ぬ可能性がある」と宣告されたことを歌った「5years」が話題となった。プチ鹿島と共に監督・主演したドキュメンタリー映画『劇場版 センキョナンデス』『シン・ちむどんどん』がヒット。Darthreider & The Bassonsとして活動中。本作にはレコヤとしても出演している。
“KING of BEATS”を掲げる唯一無二のExperimentalヒップホップバンド『skillkills』のベーシストであり、その全ての楽曲を手がけるブレイン。様々なアーティストへの楽曲制作、プロデュースワークや、アレンジワーク、cm音楽など幅広く活動。 https://linktr.ee/guruconnect
1998年1月生まれ。東京都出身。2011年より乃木坂46メンバーとして活動。グループ活動だけでなく、舞台『フラガール -dance for smile-』主演、ドラマ『教場Ⅱ』『世にも奇妙な物語』へ出演するなど多岐にわたり活躍。2022年にグループを卒業後は、『かりあげクン』『往生際の意味を知れ!』『月読くんの禁断お夜食』『湯遊ワンダーランド』『さっちゃん、僕は。』などのドラマや、赤堀雅秋プロデュース公演「ボイラーマン」などの舞台に出演し、様々な役を通して俳優としてのキャリアを着実に積み上げている。また2024年『初恋不倫~この恋を初恋と呼んでいいですか~』では連ドラ初主演を務め注目が集まる。本作が映画初出演。
ラップの爆発で人生の諸問題を乗り切ったりしない。 ファンタジーを排したリアルが、かえって優しい。 教師にも恋人にもラッパーにも馴染めない、それでも生きていく、という誠実な着地だった。
— 吉田大八(映画監督)
己を強く見せるラップより、弱さを含む胸中を綴るラップに心惹かれる。この映画の主人公も成り上がるためではなく、自身と対面するためにヴァースを蹴る。体裁や強がりが削ぎ落とされた時、彼女の言葉に宿る力は本物だ。HIP HOPと女性との連帯が彼女に気付かせる。雪子が真逆のMCサマーに成るように、最も嫌いだった部分が最大の武器に反転することに。これは自己を愛する過程についての作品なのだ。
— ISO/ライター
教師がラップ? 女性がラップ? 一見ヒップホップから遠いような存在として思われている雪子が、自分自身との闘いを乗り越えながらもう一つのキャラクターを獲得していく成長譚。 故郷を見つめ直すこと、女性同士で手を取り合うこと、子どもから勇気をもらうこと――ビートとラップとともに駆動しあぶり出されるのは、ヒップホップの本質に鋭く迫る雪子のアイデンティティだ。 回転するLPという他者の訛りに身体を投じていく雪子が、a.k.a「●●」としてもう一人の自分を見つけたとき、私たちは新たなラッパーの登場を目撃することになる。
—つやちゃん(文筆家)
手法としてのラップがこれだけ確立されて裾野が広がった今だからこそ、多くの人に届いてほしいと感じる作品でした。 好きなラッパーたちの、普段目にする姿とは違う銀幕での眼にも刺激を受けました。 素晴らしい作品に出逢わせていただき有難う御座いました。
—輪入道(ラッパー)
親でもあり地方出身でもありラップバトル番組出演して負け続けたRG…この映画は自分そのものでした。だから見てて辛かった。しかし最後のラップシーンで号泣しました。辛かったシーンは全て報われたから。 RGが負け続けたラップバトル番組…辛かった…でも最後全てが報われた最高のラップバトルができたんです。 相手は… この映画にも出てるカミナリたくみくんでした。 「雪子 a.k.a.」 自分そのものでした。
—レイザーラモンRG(お笑い芸人)
久しぶりに震えて、魅了されました。映画を観ているのを忘れてしまうくらい。台詞一言一言も丁寧で、映像的なアイデアもいっぱい。僕自身がすっかり映画の一部になっていました。僕の心にも火がつきました。この映画は草場監督じゃなきゃ生まれなかったと思います。いい映画をありがとうございます!
— 小林啓一(映画監督)
私たちは変装が本当に得意な生き物で、職場や家族、友だちの前でそれぞれ“別人“になってしまう。その上、空気を読むのも得意なので、職場の中でも何人かの“私“を飼っている。「本音と建前」とよく言うけれど、本音ってなんだっけ?と、もしかしたら雪子も、本音を言いたいためではなく、本音を取り戻すためにラップを始めたのかもしれません。 果たして、建前にあふれた世界で、雪子は本音に出会えるのか!?それにはラップもスクリーンも、味方する。
— 長井龍(映画プロデューサー)
「自分探し」という言葉が、バカにされるようになって久しい。しかしどれだけの人が、他人の考えや価値観に惑わされずに、自分の生き方を見つけられるだろうか。カッコ悪くてもダサいと思われたとしても、少しずつ本当の自分に近づこうと歩き出す、本作の主人公の姿は魅力的だ。この映画はたぶん、私たちの一歩も後押ししてくれる。
— 小野寺系(映画評論家)
教師としての自分、一人の女性としての自分――漠然とした不安の中で問いかける、「どんな自分になりたいのか」「どれが本当の自分の声なのか」。 30歳を目前に揺れる雪子の姿に、強く共感する自分がいた。不安、迷い、葛藤、そして心の解放。最後のラップには、彼女の本心と覚悟が詰まっていた。 もがきながらも前に進もうとする雪子の姿は、迷う自分と向き合う勇気を与えてくれる。 言葉にできない感情にそっと寄り添うことのできる雪子は、これからも多くの子どもや保護者に、一歩踏み出す力を届け続けるだろう。
— 樋口綾香(小学校教諭/文筆家)
雪子は今すぐ仕事辞めてラップで食ってけ!君には才能がある!
— METEOR(ラッパー)
痛々しい。でも、その痛々しさには覚えがあった。自分がイケていないことは分かっている。けれど、その事実と向き合うことも、その事実を誰かに指摘されることもしんどい。そうして楽な方へ、辛くない方へと逃げていれば深く傷付かなくて済むけれど、どこかで必ず向き合わなければならないタイミングがやってくる。その時どう向き合うか次第で、今後歩む人生が変わっていく。打ちのめされて、追い詰められて、どん底まで達したからこそ這い上がり始める雪子。今ある自分を受け入れて、そんな自分だからできることを模索して、そんな自分にしかできない何かを磨いていく。自分を認められることの難しさと大切さを丁寧且つドープに映し出し、目にする者の心を揺さぶる力作です。
— ミヤザキタケル(映画アドバイザー)
主人公の雪子、すぐに答えを出さずに時間をかけて辿り着こうとする姿は、経済、効率優先の今、もっとも大切な態度、その勇気に感動させられます。 主人公も誠実ですが、草場監督の映画作りも慌てず騒がず誠実。細かな演出が積み重なってラップバトルで気持ちを爆発させるところに大きな映画のグルーブを感じました。 のんさんの「Ribbon」でとても素晴らしかった山下リオさんと久しぶりに会えてそれも嬉しかったです。
— 犬童一心 (映画監督)
教師×ラップ=。想像していた答えのもう一歩先へ、映画は連れて行ってくれる。ディスだけじゃ勝てない、リスペクトだけでも前に進めない。漠然と浮遊する日々の中、ラスボスはいつだって自分だ。
—高橋泉 (脚本家)
ラップバトルとは、即興の言葉のぶつけ合いだという。主人公の雪子は負けるとわかっていても、ひたむきにそんな勝負に挑んでいく。うまく言葉が紡げなくて諦めかけてしまうときも、相手に響かないかもしれないと不安なときも、それでも伝えたい想いが心の中にある限りはずっと戦いはつづく。 雪子の姿に、きっと多くのひとが励まされるに違いない。
— 児玉美月(映画批評家)
胸に抱えたまま言葉にもできなくなっていた感情と、何度も何度もlinkして、その度に泣いてしまった。 自分に自信がもてなくても。不安なままでも。ほんの少しだけ、前に進むことはできる。進むためのヒントが、いっぱい詰まっていた。めげそうな時は、雪子のラップを思い出すんだyo!
—小橋めぐみ(俳優/文筆家)
本作の主人公はまぎれもなくヒーローである。彼女のような名も無きゴールキーパーは、この社会でさほど目立つことなく、悩みをかかえながら普通に暮らしているのだろう。僕にはこの映画が、彼女のような、誰一人取り残さない名も無きゴールキーパーたちへの応援歌のように聞こえた。彼女は思いを言葉にしてラップバトルを行う。勝つことにはこだわらない。やさしさにあふれた映画である。彼女に救われた少年少女たちは、彼女が強いことを知っている。
—乙一(作家)
ダメダメな私に、ヒップホップが甘ったれた許しを与えてくれるなんてことは決してない。この映画の重要な点は、雪子がヒップホップに曖昧に許されるというような、妥協的な解決が取られないということだ。彼女はとことん情けなく敗北するラッパーだ。しかし、厳しく打ちのめされることを通して、彼女の生は「リアル」になる。ヒップホップのリズムは、フェイクを振り落とし、リアルを選別する。そうして生を鍛え上げる。
—韻踏み夫(ライター/批評家)
『スーパーミキンコリニスタ』に続いて、草場尚也は、理想と現実の狭間でもがく女性のタフネスを丁寧に綴る。彼のヒロインは、たとえバカにされたり、傍目にはイタくても、あるいは結婚など社会から課せられる義務に従わずとも、自分の感情に正直に生きることを模索する。故に、『雪子 a.k.a.』において、ラップは劇中でも参照される『8 Mile』のように成り上がるための武器でも巧拙を競うゲームでもなく、自分探しのツールなのである。尽きることのない日々の不安の中で、ラップが自己受容を可能とする。
—常川拓也(映画批評家)
「Yukiko a.k.a.」は、第36回ジローナ映画祭において、人々の価値観を繊細に描いた点が評価され、特別賞に選ばれました。 この作品は、人の心にとって不可欠な芸術的才能を際立たせている点が素晴らしいです。
— リュイス・ヴァレンティ (ジローナ映画祭フェスティバルディレクター)
雪子は強いと思った。 弱さがあるから人にそっと寄り添える。 それは雪子にとってのHIPHOPと同じように。 これから自分が一歩踏み出すことが怖くなったとき、MCサマーが頭をチラつくんだと思います。 勇気が湧く作品でした。ありがとうございました。
— ネコニスズ ヤマゲン(お笑い芸人)